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エンジンコントロールユニット
エンジンコントロールユニット(1)は、マイクロプロセッサーが搭載されたデジタル電子ユニットです。
エンジンの動作状態に応じて、燃料供給と点火を調整し、インジェクターとコイルを制御します。エンジンの動作状態は、以下の一連のセンサーによって認識されます:
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また、エンジンコントロールユニットは、バッテリーの電圧を監視し、それに応じてインジェクターの開放時間および点火コイルの通電時間を調整します。
コントロールユニットによって決定される量は、次のとおりです:
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 重要
点火進角、燃料噴射時間、インジェクターを閉じるタイミング(クランクシャフトの角度)、および気温と気圧に応じた補正曲線が、すべてマップに格納され、エンジンコントロールユニットのフラッシュ EPROM に記憶されています。これらの標準は、さまざまな使用条件での製造元によるテストに基づいて決定されています。
変更することはできません。
 
エンジンコントロールユニットの取り外し
 
コネクター(1)をエンジンコントロールユニットから取り外します。
固定ネジ(2)を緩めて取り外します。
エンジンコントロールユニットを車両から取り外します。
エンジンコントロールユニットの取り付け
エンジンコントロールユニットをフレームに取り付け、ネジ(2)で固定し、コネクター(1)に接続します。
ネジ(2)を規定トルクで締め付けます(セクション C 3,“フレーム締め付けトルク”を参照)。
コネクター(1)は 48 PIN コネクターです。
 
コネクター(1)のガイド(A)が(図に示されているように)開いていることを確認します。
ガイド(A)を回してコネクターを固定します(ガイド位置“閉”)。
 
 
インジェクター
インジェクター(1)は、エンジンの最適動作に必要な適正量の燃料を供給します。
エンジンコントロールユニットは、電磁コイル内に電流を循環させてインジェクターの開放を制御します。コイルに磁界が発生し、アンカーが引きつけられることによって、噴射が発生します。 燃料の物理的特性(粘度、濃度)、インジェクターによる供給量、および圧力の上昇(燃料圧力レギュレーターによって制御される)を一定のものと考えると、燃料噴射量はインジェクターの開放時間に依存します。その時間は、エンジンの使用条件に応じてエンジンコントロールユニットで決定されます。 このようにして正しい燃料供給が可能になります。
インジェクターの取り外しおよび取り付けについては、セクション L 6,“インジェクターの取り外し”および“インジェクターの取り付け”を参照してください。
 メモ
インジェクターの動作を点検するには、DDS 診断装置を使用します。項目“ガイド診断”の指示に従ってください
(セクション D 5 を参照)。
 
燃料の噴射は一定で、水滴のない霧状にならなければいけません。
燃料供給装置に燃料が満たされた状態で、長期間エンジンを停止したままにしないでください。 インジェクターが燃料で目詰まりし、使用できなくなる恐れがあります。長期間保管した後は、定期的に燃料タンクに特殊な添加剤 TUNAP 231 を加えて、燃料の配管を清掃することをお勧めします。
ステッパーモーター
スロットルボディはステッパーモーター(1)によって作動する自動スターター機能を持っています。
ステッパーシャフトにはシャッターが接合されており、それによって 2 つの穴が連結されています。そのうちの 1 つの穴(2)は垂直シリンダーの吸気マニホールドに接続され、もう 1 つの穴(4)は水平シリンダーの吸気マニホールドに接続されています。3 つめの穴(3)はエアフィルターボックスに接続されています。
ステッパーは、約 6 kg/h の空気流量を持つ 2 つのバイパス穴を同時に操作します。
2 つのシリンダーの平衡状態(空気流量など)に必要なのでマニュアルの調整ネジのあるバイパスの穴があります。
エンジンコントロールシステムは、ステッパーによって供給された補足空気量と相殺し、従って正しいガソリン量を供給するために、ステッパーのステップ数をスロットルの角度に変換します。 このため、ステッパーを開けることはスロットルを開けることと同様になります。
 メモ
ステッパーの空気流量の影響は、スロットルの約 30°まで見られます。 それ以上の値には、補正の必要はありません。
 
ステッパーを開ける方法は、以下の 2 つです:
方法 1)エンジン温度だけでの管理(ステッパーの開閉はエンジン温度のみによって決定されます)。
方法 2)エンジン温度およびエンジンの状態によって管理 この方法はエンジン始動のときのみ機能します。 システムは上に述べられた方法のステップ数に加算するステップ数を決定します。エンジンが始動したことをシステムが感知すると、エンジンサイクル数に応じて、ステップ数はゼロまで速やかに減少します。
ラムダセンサー
ラムダセンサー(1)はエキゾーストパイプに取り付けられており、排気ガス中の酸素量に関する情報をコントロールユニットに供給するセンサーです。 このようにして、システムは空気と‑ガソリンの最適な混合比を維持することができます。
ジルコニウムの二酸化物でできているパーツの外側は、排気ガスが直接接する部分で、一方内側は外気に接する部分です。
両表面共、プラチナの薄い層で覆われています。イオン化した酸素はセラミック層を通過し、プラチナ層に電荷を与えます。したがって、プラチナ層は電極のような働きをします。 生成された電気信号はセンサー出口にある接続ケーブルにより収集されます。
ジルコニウム二酸化物のパーツは、約 300 ℃ で酸素イオンに対して浸透性を帯びます。
酸素濃度がセンサーの両表面で異なる場合、ジルコニウム二酸化物の特殊な物理特性により、電圧が生じます。 希薄な混合では信号電圧は低く、濃い混合では高くなります。
空気とガソリンの混合比が 14.7 対 1(ガソリンの割り合い 1に対して空気の割り合いが 14.7)になったときに信号の強さの典型的な変化は現れ、ラムダ1 と呼ばれます。この比率はまた、完全燃焼の指標でもあり、これがラムダセンサーの名前の由来になります。 したがって、以下のようになります。
ラムダ = 1 は量論組成比の混合
ラムダ >1 は希薄な混合
ラムダ <1 は濃い混合
空気とガソリンの混合コントロールシステムはラムダセンサーにより操作され、センサーは 300 ℃ を超えると作動し始めます。セラミック素材は、約 300 ℃ の温度で酸素イオンの伝導を開始します。センサーの両端の間で酸素の比率が異なり始めると、マテリアルの組成特性により、2 つの電極の間で電圧が生成されます。これにより排気ガスと外気の酸素の違いを測定することができます。燃焼室に送られた空気とガソリンの混合が正しくない時、エンジンの燃焼ガスは酸素の残留物の一部を含みます。このようにしてコントロールユニットを作動させ、コントロールユニットは絶えず最適な混合でエンジンを機能させるようにインジェクションを操作します。
ラムダセンサー(1)を取り外すには、水平シリンダーおよび垂直シリンダーのエキゾーストパイプから取り外す必要があります。
取り付け作業では、センサーを規定トルクで締め付けます(セクション C 3,“フレーム締め付けトルク”を参照)。
スロットルポジションセンサー
スロットルポジションセンサーは、コントロールユニットから電源を供給され、スロットルバルブの位置を示す信号をコントロールユニットに送信します。 この情報は、エンジン負荷を間接的に表す値であり、燃料の混合量と点火進角を決定する主要な変数としてコントロールユニットで利用されます。
この部品の不具合を点検するには、DDS 診断装置を使用します。このとき“ガイド診断”の項目を参照してください
(セクション D 5 を参照)。
スロットルポジションセンサーを交換するには、セクション L 6,“スロットルボディの取り外し”を参照してください。
エンジン回転数/位相センサー
使用されているセンサーは誘導型です。 タイミングギアに面していて、48個の歯と、それぞれが 180°に相対する歯 2 個分の 2つのギャップを読み取ることができます。
タイミングシャフトドライビングギアに面しているピックアップセンサーからのこの信号は、コントロールユニットでエン
ジン回転数の計算に使用され、位相の基準としても使用されます。
 メモ
この部品の不具合を点検するには、DDS 診断装置を使用します。項目“ガイド診断”の指示に従ってください
(セクション D 5 を参照)。
 
センサーの交換とクリアランス点検については、“フライホイール - ジェネレータ”(セクション N 8 を参照)。
 
気温センサー
このセンサーは、エンジンコントロールユニットから電源を供給され、気温を測定します。その電気信号はエンジンコントロールユニットに送られます。エンジンコントロールユニットでは、測定された気温に応じて補正が行われます。
 メモ
この装置の動作を点検するには、DDS 診断装置が必要です。このとき“ガイド診断”の項目を参照してください
(セクション D 5 を参照)。
気温センサーの取り外し
気温センサーを取り外すには、主配線のコネクター(1)をセンサーから外し、センサーの固定ネジ(2)を外し、吸気マニホールドから取り外します。
気温/気圧センサーの取り付け
取り付け作業は、取り外し作業と逆の手順で行います。その際、センサーの固定ネジ(2)を規定トルクで締め付けます
(セクション C 3,“フレーム締め付けトルク”を参照)。
取り付け作業の最後に、コネクター(1)をセンサーに接続します。
気圧センサー
このセンサーは、エンジンコントロールユニットから電源を供給され、車体の乱れた動きのない部分で絶対気圧を測定します。 その電気信号はエンジンコントロールユニットに送られます。エンジンコントロールユニットでは、測定された気圧に応じて補正が行われます。
 メモ
この装置の動作を点検するには、DDS 診断装置が必要です。このとき“ガイド診断”の項目を参照してください
(セクション D 5 を参照)。
気圧センサーの取り外し
気圧センサー(1)を取り外すには、次の部品を取り外します。
 
主配線のコネクター(3)をセンサーから外し、スロットルボディから取り外します。
吸気マニホールドからホース(2)を外します。
気圧センサーの取り付け
取り付け作業は、取り外し作業と逆の手順で行います。
取り付け作業の最後に、コネクター(3)をセンサーに接続します。
フィルターボックスを取り付けます(セクション L 7,“エアフィルターボックスの取り付け”を参照)。
 
スパークプラグ
スパークプラグを取り外す前に、スパークプラグのくぼみに圧縮空気を吹き付けて汚れを取り除きます。
両方のヘッドのスパークプラグからキャップ(1)を外し、スパークプラグを取り外します。このとき、燃焼室に異物が入らないように注意してください。
 重要
中央電極とサイドの電極とのギャップを確認します。
この値が規定の範囲にない場合や、スパークプラグにカーボンが付着している場合は、交換することをお勧めします。
スパークプラグをヘッドに再び取り付け、手でいっぱいまで締め込みます。
規定トルクで締め付けます(セクション C 3,“エンジン締め付けトルク”を参照)。
キャップ(1)を取り付けます。
 重要
熱価が不適切なスパークプラグや、ネジ山の長さが規格に合っていないスパークプラグを使用しないでください。スパークプラグはしっかりと固定する必要があります。 緩んでいると、加熱してエンジンに損傷を与える恐れがあります。
 
メーカー:
NGK。
タイプ:
DCPR8E。
 
または
メーカー:
CHAMPION。
タイプ:
RA4 HC。
コイル
使用されている点火は、誘導放電式です。 エンジンコントロールユニット M3C が点火進角を計算し、コイルを制御します。
電力供給モジュールはエンジンコントロールユニットに内蔵されており、ドエル角制御によってコイルに一定のエネルギーを蓄積します。
水平シリンダーのコイル(1)および垂直シリンダーのコイル(2)はエアフィルターボックスの下に固定されています。
コイルの作業を行うには、次の部品を取り外します。
 
コイル(1)の位置にある固定ネジ(3)を緩めて外し、スペーサーも外します。
取り付け作業では、ネジ(3)を規定トルクで締め付けます(セクション C 3,“フレーム締め付けトルク”を参照)。
 メモ
この部品の不具合を点検するには、診断装置 DDS を使用します(セクション D 5,“ガイド診断”を参照)。
インジェクションリレー
リレー(1)はエンジンコントロールユニットの横にあります。
リレーの作業を行うには、シートを外して(セクション E 3,“シートの取り外し”を参照)、右フェアリングを取り外します(セクション E 2,“サイドフェアリングの取り外し”を参照)。
電気系統からリレーの接続を外し、小さい接点(86)と(85)の間に 12 V (バッテリー)の電圧を加えます。 内部の電磁石が動作するカチッという音が聞こえなければなりません。
大きい接点(30)と(87)の間にマルチメーターを接続し、導通していることを確認します(マルチメーターの機能については、セクション P 9,“診断装置”を参照してください)。 マルチメーターに表示される電気抵抗の値は、ほぼゼロに等しくなければなりません。この場合、マルチメーターにその機能があれば、導通を示すビープ音が鳴ります。 そうでない場合は、交換してください。
CAN ライン
このモデルにはCAN (Controller Area Network)ラインが使用されており、それによって電装‑レイアウトが大幅に単純化され、結果として全体のサイズが縮小されています。
CAN ラインには、2 つのノードが接続されています。
メーターパネルとエンジンコントロールユニット(I.A.W. 5 AM 2)です。
この通信ラインによって、センサーで生成される信号が 2 つの電子処理ユニットで共有されるので、各種のセンサーを重複して搭載する必要がなくなりました。 センサーは、メーターパネルとエンジンコントロールユニットのうち、どちらか近い方のユニットに接続されます。そのユニットは、その信号を CAN ラインに送信し、必要なユニットで処理できるようにします。
CAN ラインは 2 本の線のみで構成され、各線上では、完全に復号できる正確な情報がデジタル信号として伝送されます。 このラインに接続されているノード(メーターパネルとエンジンコントロールユニット)には、特別なハードウェアが搭載され、関係する情報が一連のパルス信号に含まれているかどうかを認識できます。そのような情報は演算ユニットによって処理されます。
メーターパネルとエンジンコントロールユニットの間では、CAN ラインを通して次のような信号が送受信されます:
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